身の回りには、いつも温かい心を持つ人がいて、しかし突然その存在が消えてしまうことがありますね。
特に仕事場では、なぜか優しい人ほど、あっという間にいなくなってしまうことが多いように感じます。
この記事では、私が考える彼らが消えてしまう理由についてご紹介します。もしかしたらこれが、誰かの疑問や気づきに繋がるかもしれません。
優しい人が優しくできる理由について
優しい人が突然いなくなる理由を理解するためには、ますます「優しい人が優しくいられる理由」を探る必要があります。
実際、優しい人とは、その人にとっての『当たり前』が、他の多くの人にとっては『優しい』と受け取られるだけのことなのです。
優しさの尺度は、人それぞれ異なります。
例えば、海外では財布を落としても戻ってくることはめったにないと言われています。しかし、日本では「お金を抜き取らずにしっかりと届ける」という行為が非常に一般的です。
そして、「お金を抜き取らない」ことは、優しさというよりもむしろ「当たり前のこと」として捉える人が多いのです。
これと同じく、
「優しさ」なのか
それとも「当たり前のこと」なのか
は、その人の価値観によって異なります。
あなたが「優しい人」と感じている人も、その人の立場から見れば「当たり前のことを当たり前にしているだけ」かもしれません。
優しい人が突然いなくなるのはなぜ？
なぜ優しい人が突然いなくなるのか、その答えは私の考えでは『理由のない疲労感に打ち勝てなくなるから』だと思います。
優しい人はしばしば優しさを受けないことが多いです。今の社会では、優しい人にとっては厳しい状況が少なくありません。
特に職場などの階層のある場所では、「優しい＝都合の良い人」とみなされることがよくあります。優しい人は軽んじられ、怒らせたら扱いが手間になることがよくあります。こうした環境は多く存在します。
あなたも、無意識に面倒くさい人には丁寧に頼んだり、小さな文句を優しい人にはつい言ってしまったりしたことがあるでしょう。
優しい人は見返りを求めているわけではありません。単に自分にとっての「当たり前」を実践しているだけです。
ただし、自分にとっての「当たり前」が、自分に対してだけは常に返ってこないと感じることがあります。この違和感は、小さな心の傷として蓄積されていきます。
しかし、優しい人は怒りを感じません。相手に原因を求めることを本能的にしないのです。ただ、言語化できない疲労感が日々積み重なります。そしてこの理由のない疲労感は、他者に説明することが難しいものです。
結局、行き場のない疲労感は「突然いなくなる」という選択肢に導かれます。友達との交流を絶つ、会社を辞める、SNSをやめるなど、環境から距離をとる決断をするのです。
「優しい人が突然消える」というよりも、そうするしか選択肢がなくなるというのが現実だと思います。
優しい人が戻ってこないのはどうして？
突然いなくなった優しい人が戻ってこないことの方が多いと、私は個人的に考えます。
これは「自分が疲れてしまった環境」や「人間関係」が、距離をおいて客観的に見えることが多いからです。
優しい人は、当たり前のように優しくされていると感じることがあります。しかし、自分をゆっくりと客観的に見つめると、自分が当たり前の優しさを受け取っていないという事実に気づくことがあります。
心の中に積み重ねられた違和感に気づいた時、記憶や経験がつながり、「そういうことか」と納得する瞬間が訪れます。
最終的には、
自分の存在が軽んじられていたこと
に気づきます。同じ頼み事でも、自分が請け負った場合とそうでない場合では、お礼の発生や指摘の仕方が異なります。同じ物事でも、感謝される度合いや怒られる度合いが違うことに気づくのです。
優しい人には「本当に優しい人」と「優しさを搾取するだけの人」の違いがよく理解できます。優しい人は優しさを同じくらい返してくれる人もいるからです。
環境から距離を置き、自分を客観的に見た時に初めて、
優しさには個人差があること
優しくされない人にばかり優しい人もいること
を実感します。
もし突然消えた人が戻ってこない場合、その人にとってはあなたが「優しさを搾取する人」と捉えられていた可能性があります。自分では気づかないかもしれませんが、優しさは気遣いの一環です。他の誰かがその人に偉そうに振る舞っていた時、あなたはフォローできていたでしょうか？様々な場面で、他人に対して勝手に期待していたことはありませんでしたか？
まとめ【優しさの搾取には気付けない話】
『相手を軽く見ている』という感情は、実は非常に難解なものです。
この感情は、自分が気づく前に先に相手に伝わってしまう性質があります。もしかしたら、自分が軽く見てしまっていたのかもしれません。しかし、気づいた時には既に手遅れかもしれません。
その感情は、相手にとっては十分に伝わっている可能性があります。あなたにとっての『優しい人』は、もう姿を消してしまったのかもしれません。
しかし、もしもその人に戻ってほしいと思うなら、それは意外と簡単かもしれません。
優しい人に対しては、怒りよりもむしろ
悲しい
疲れた
といった感情が強いことがよくあります。あなたと距離を置いたからといって、あなたが100％嫌われたわけではありません。
優しい人は、誰に対しても無条件に優しくなるわけではありません。自分が優しくしたいと思う人、一緒にいて楽しいと感じる人に優しくしてくれるでしょう。そして、その中にはあなたも含まれていました。
『自分が優しくしたいと思っていた人』に軽く思われていたという事実は、苛立ちよりも悲しみの方が強いと個人的には考えます。
一度距離を置いた優しい人が自分から戻ってくる可能性は低いかもしれませんが、あなたが声をかければ無視されることはないでしょう。なぜなら、その人は元々優しく、『あなたに優しくしたい』と思っていたからです。
そしてもしも友情が復活するのであれば、今度はその人に対しても『当たり前の優しさ』や『気遣い』をきちんと向けてください。
あなたが優しい人を「優しい人」と認識できるなら、きっとその人と素敵な関係を築くことができるでしょう。
