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スピーチのコツを解説

デジタル技術の進化により、仕事の環境は大きく変わりました。メールやチャットツールの普及により、「スピーチ」に自信を持てないビジネスパーソンも増えているかもしれません。

しかし、現在ではコロナ禍の影響もあり、オンラインでのスピーチや商談が不可欠となっています。大勢の前でのプレゼンテーションも増加しており、例えば朝礼の1分間スピーチや現場での商談においても、実践的で自信を持って臨むためのテクニックが重要です。以下では、そのポイントを紹介します。

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スピーチが上手くいかない原因は2つ

スピーチが上手くいかない原因として挙げられるのは、「何を話すか決まっていない、ネタやテーマがない」ことと「人前で緊張してしまう」の2つです。

準備不足
「何を話すか決まっていない、ネタやテーマがない」。目的が明確でない行動には、不安が付きまといます。例えば、車の運転。目的地があやふやな状態で運転すると、「道を間違える」、「ルールやマナーがおざなりになる」といった可能性が高くなります。事故を起こすかもしれないという不安を抱えながら運転することになるのです。事前に道順を調べるなどして不安を解消してから運転すれば、事故を防ぐことができます。
スピーチも同様に話す内容が決まっていなければ、要点がバラバラになります。いくら流暢に話しても、時系列が前後していたり一貫性がない内容であれば、相手には伝わりません。スピーチが上手くいかない人は「ネタを探していない」、「テーマを決めていない」といった準備不足から不安になり、それが苦手意識につながっています。

緊張
昨今のビジネスシーンでは、電話や相対での商談が減ってきています。メールやチャットは自分のペースで言葉を考え、落ち着いて発信することができます。しかし、電話や相対の場合、リアルタイムで反応しなければなりません。メールやチャットに慣れると、リアルタイムのスピーチに緊張してしまうのは当然のことと言えます。
特に、若手ビジネスパーソンは人前でスピーチをするという経験が多くありません。学校では教師の話を聞くというスタイルが主流で、年に何回か発表会という場がある程度。それが、いきなり社会に出たとたん「朝礼で数分間、何かをスピーチしなさい」と言われます。これでは確かに緊張してしまい、上手くいかないでしょう。

良いスピーチの構成とは

人間であれば誰しもが緊張します。テレビで活躍するプロのアスリートは、私たちより遥かに緊張するシーンでパフォーマンスを出さなければなりません。だからこそ、プロのアスリートは緊張をやわらげるために、練習やコンディションの調整という「事前の準備」を徹底します。良いパフォーマンスを出すためには、緊張しないこと。そして、緊張を防ぐには事前の準備が必要なのです。

では、事前の準備とは何をすれば良いのか。まずは、スピーチの構成を考えましょう。人によって話すスピードは異なりますが、300文字前後の文章をスピーチする時間は約1分。3分間のスピーチであれば、900文字程度が妥当です。

そして、良いスピーチの基本的な構成は「事実」と「自身の考え」を繰り返すこと。朝礼で3分間のスピーチを求められたのであれば「100文字分の事実」、「300文字分の自身の考え」、「300文字分の事実」、「200文字分の自身の考え」という4段構成を試してみてください。

〈例文〉

「先週末、山梨県の河口湖で友人らとキャンプをしました。中には友人の子どもも数人いて、なかなかの大所帯となりました。子どもたちは湖を見るのが初めてだったようで、朝から晩まではしゃいでいました」(事実・93文字)

「子どもたちは釣りをして、大人たちは焚き火を囲んでお酒を飲むという、最高の時間を過ごすことができました。しかし大人は、子どもたちの安全を確保するために行動を見守らなければなりません。友人の子どもたちを注意深く観察していて気付いたのが、キャンプは子どもたちの教育に最適だということです。子ども同士は、つい先ほど初めて出会ったばかり。年齢が近いとはいえ、すぐに下の名前で呼び合い、色んなものに興味を示しては遊んでいました。そして、年上の子は年下の子に対して、何かを手伝ってあげたり、手を引いてあげたりしていました。このような行動は、キャンプという非日常のシーンだからこそできたのだと思います」(考え・292文字)

ここまでが導入にあたる部分。「キャンプに行った」という事実。「子どもたちの行動を見て、キャンプが教育に最適だと感じた」という自身の考えを伝えています。

「いつも遊んでいる公園より、遥かに広い遊び場。気付いたら鬼ごっこが始まっていました。ところが、一番年下の3歳くらいの子が転んでしまったのです。年上の子たちはすぐさま駆け寄り、膝についた砂利などを取り払い、一生懸命あやしました。転んだ年下の子は今にも泣きそうだったのですが、年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんが元気付けてくれたことで泣くのを我慢していたように見えました。親である友人は『これが普段の街中だったら大声で泣いていたと思う』と話していました。年上の子たちは鬼ごっこをやめて、砂遊びを提案。スコップを使って、目の前に見える富士山を作っていました。それ以降、年下の子は年上の子を信頼し、昼のバーベキューから夜テントで寝るまで、ずっと付いて回っていました」(事実・324文字)

「いつもと違う場所で、いつもと違うことをするというのがキャンプです。だからこそ、大人同士だけでなく子ども同士も違うコミュニケーションになります。

スピーチ上手が実践しているスピーチのコツ

スピーチが上手い人は、このような構成が事前にできています。どのような内容をどのような順番で話すか、しっかり把握してから人前に立っています。当然、構成をつくるのにもコツが必要です。スピーチ上手が実践しているのは、「テーマを明確にする」、「具体的なエピソードやストーリーを用いる」、「反復練習」、「雰囲気に慣れる」の4つです。

スピーチのコツ1. テーマを明確にする
小学生の時に書いた読書感想文を思い出してみてください。その本がどんな物語で、それを読んだ自分はどう感じたのかを書きますね。書くテーマが決まっていないと、タイトルが決まりません。とりあえず書き出してみたものの散文的になってしまい、結局何を伝えたいのか分からない感想文になってしまった経験はありませんか。 読書感想文が上手に書ける人は、まずタイトルを決めます。そのタイトルに沿って、文を書いていきます。それは、スピーチも同じです。読書感想文のタイトルを決めるように、話す内容を明確にすることを優先させましょう。

スピーチのコツ2. 具体的なエピソードを用いる
また、3分を超すようなスピーチに具体的なエピソードは必須です。テーマというのは大きく抽象的なもの。聞き手に理解度を深めてもらうためには、より分かりやすく身近なエピソードを用いるべきです。

例えば昨日活躍した、大谷翔平選手についてスピーチするとします。テーマは大谷翔平です。ところが、大谷選手の経歴や二刀流の難しさどころか、そもそも野球について詳しくなければ具体例を挙げることはできません。「大谷選手が昨日、活躍しました。凄いと思いました」ではスピーチとは言えません。したがって、スピーチのテーマは具体的な例が挙げられるものを選びましょう。

スピーチのコツ3. 反復練習
スピーチの内容があらかた決まれば、あとは反復練習。何度も声に出してイメージトレーニングを繰り返します。ストップウォッチを使い、時間を計るのも有効。また、他の人に聞いてもらい「スピーチのスピードは聞き取りやすいか」、「唐突な展開で違和感が無いか」などのチェックも反復練習で実践しましょう。

スピーチのコツ4. 雰囲気に慣れる
大きな会場でスピーチするのであれば、事前に足を運んで雰囲気に慣れることも大切です。人は慣れない場所に立つと余計に緊張してしまうもの。特に、大きな会場の壇上に立つと、いつもと景色が違います。マイクの位置、自分の立ち位置、聞き手の位置などを事前に見て、シミュレーションをしておくと安心です。

朝礼・1分間スピーチ・3分間スピーチのネタ

さて、スピーチが苦手なビジネスパーソンの悩みといえば「ネタ探し」ではないでしょうか。今日の朝礼で何のネタを話すべきか、時間になるギリギリまで必死にネット検索している人も多いのではないでしょうか。しかし、スピーチのネタは漠然と探すのではなく、ジャンルで見つけましょう。また、慣れてきたら複数のジャンルをミックスさせて構成を作っていくのも一つです。

スピーチのネタ1. ニュース
最もポピュラーで、ほとんどの聞き手に共感を得られるのが「ニュース」です。昨晩テレビで見たニュースや、今朝ネットで見たニュースは朝礼のネタとして取り扱いやすいでしょう。その中で自分の考えや具体的エピソードが述べられるものを選びます。

スピーチのネタ2. 自己紹介
初めてスピーチする場や1分・3分間スピーチを求められた時であれば、自己紹介も立派なネタの一つです。自己紹介は経歴を長々と語るのではなく、具体的なエピソードの尺を多くとるべき。「そのエピソードがあったからこそ、自分はこんな人間である」というスピーチがスマートです。

スピーチのネタ3.家族、ペット、趣味
自己紹介から派生して家族やペット、趣味といったものもスピーチの鉄板ネタ。自分の身の回りのことなので、具体例も話しやすいでしょう。趣味の話であれば、聞き手の立場を考えて魅力的な部分を簡潔に伝えましょう。

スピーチのネタ4. 季節
聞き手の共感を優先させるなら、季節にまつわる話題。春であれば桜や花粉症、夏は気温や休暇、秋は紅葉や食欲、冬は気温や雪など導入部分はスムーズです。そこから「昨年との比較」や「失敗談、成功談」などにつなげると上手くいきます。

スピーチのネタ5. 健康
体の悩み、特に健康については多くの人が関心を持っているジャンルです。「健康診断の結果」や「ダイエットの効果」など、具体例も豊富。一方、ネガティブな話題になるケースも多々あるので、人を傷付けない注意が必要です。

スピーチのネタ6. 名言・ことわざ
結婚式のスピーチなどでよく用いられるのが名言やことわざ。具体的なエピソードとどうつなげていくかを考えてしっかりとした構成ができれば、為になるスピーチになります。有名なものではなく、身近な人の名言を引用するのもありです。

スピーチのネタ7. 今日は何の日?
ネットで「今日は何の日」と検索すれば出てきます。中には意外な日もあり、スピーチに使えるネタと巡り合うかもしれません。あらかたネタを使い切った場合は、「今日は何の日」で見つけたネタが使えます。

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