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ASD・アスペルガーのグレーゾーンの特徴とは?

以下のような特徴が日常生活において支障をきたす場合、ASD(自閉症スペクトラム障害)の可能性が考えられます。

他人の気持ちを理解できず、コミュニケーションが難しい
人間関係の構築が難しい
曖昧な指示に混乱する(例:「適当に」「もう少し」など)
一つのことに強くこだわる
多くの人が「コミュニケーションが苦手だ」と感じることはありますが、特に周囲との交流で孤立したり、頻繁にトラブルを引き起こしてしまう場合、発達障害(ASD、アスペルガー症候群)の可能性が考えられます。

また、はっきりと診断できるレベルに達しない場合でも、医師からはその傾向がある「グレーゾーン」として判断されることがあります。

「もしかしてASDかもしれない…」と悩んでいる方々のために、この記事ではASDの特性やグレーゾーン、それに対処する方法について紹介していきます。

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ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の特徴とは

ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)は、コミュニケーションや対人関係が難しい、強いこだわりがあり、特定の興味に偏っているといった特性を持つ発達障害です。

「スペクトラム」は「連続している」という意味であり、自閉症や高機能自閉症、アスペルガー症候群がASDに含まれます。

文部科学省による定義によれば、高機能自閉症は他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味が狭く特定のものにこだわることを特徴とし、知的発達の遅れを伴わない自閉症とされます。一方、アスペルガー症候群は知的発達の遅れを伴わず、かつ自閉症の特徴のうち言葉の発達の遅れを伴わないものとされています。

ASD(自閉スペクトラム症)は、知的発達の遅れがあるものが「自閉症」、知的発達の遅れがなく言葉の遅れがあるものが「高機能自閉症」、知的発達の遅れや言葉の遅れを伴わないものが「アスペルガー症候群」と分類されます。

日常生活でコミュニケーションが難しかったり、細かいことにこだわることがあっても、それがASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)であるかどうかは一概に言えません。自閉的な傾向は連続的であり、誰しもが多少の自閉的な傾向を持つ可能性があります。

以下では、お子さまから大人の方まで利用できるASDのチェックリストを紹介しています。気になる項目がある場合は、医療機関での受診を検討していただくことをお勧めします。

ASD(アスペルガー)の診断チェックリスト〔子ども〜大人用〕

他人の表情から気持ちを読み取るののが難しい(空気が読めない)
言外に含まれている意味を理解するのが難しい(行間が読めない)
ジェスチャーを理解したり、使ったりするのが難しい
「適当に」「もう少し」など曖昧な指示が理解できない
人の話を遮り、自分の話ばかりしてしまうことがある
言い回しが失礼だと指摘されることがある
物事には一人で取り組みたい
同じやり方を繰り返す方が良い(違うやり方には挑戦したくない)
何かに没頭すると周りが全く見えなくなる
少しの物音でも気が散る
特定の味やにおい、感触などが苦手
急に予定が変更されると、イライラしたりパニックになったりする
物事を大まかに把握するより、細部に注目することが好き
時刻表や車のナンバーなど、数字の羅列に注目することがある

また、これらの特性が日常生活において大きなストレスを感じている場合は、当てはまる項目が多くなかったとしても、医師への相談を検討することが重要です。無視すると、これらの特性が原因でうつや不安障害などの二次障害が引き起こされる可能性があります。

ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)のグレーゾーンの特徴とは

ASD(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症)の中で、特性や困難の程度がそれほど大きくないものを「グレーゾーン」と呼ぶことがあります。

「グレーゾーン」とは正式な診断名称ではなく、現時点ではASDかどうかの診断が付けづらく、また、支援を必要とする程度がそれほど大きくないと判断される場合などに「ASDのグレーゾーンかもしれない」といった表現がされることがあります。

ASDグレーゾーンの方が困難の度合いが大きい場合もあり、病院を受診すると、「基準を満たしていないが傾向はある=グレーゾーン」と診断されることがあります。しかし、グレーゾーンとは、発達障害の度合いが小さいことを指すわけではありません。

発達障害の検査は、基準にいくつ当てはまるかで診断され、例えばチェックリストの項目がある場合、「たくさん当てはまるかどうか」が判断基準になります。実際の診断テストとは異なりますが、以下の例を考えてみましょう。

Aさんの場合
①~⑨まで全ての項目に当てはまるが、それぞれの困り具合は30%で、日常生活に支障は無い。
Bさんの場合
②③⑦の3項目にしか当てはまらないが、それぞれの困り具合は100%で、日常生活に困難がある。

上の例で言うと、日常生活での困難はBさんの方が大きいにも関わらず、発達障害と診断されるのはAさんで、Bさんはグレーゾーンとされることがあります。

したがって、「診断が出なかった」「グレーゾーンと言われた」場合でも、日常生活での困難の度合いが小さいとは限りませんので注意が必要です。

ASD(グレーゾーン)の正確な診断を受けるには、複数回の診断を受ける、別の病院を受診する(セカンド・オピニオン)、客観的な検査を受ける(QEEG、WAIS-IV、WISC-IV)、正確な情報を伝える、自己診断は避ける、などの方法があります。

グレーゾーンの方は診断基準のボーダーラインにいる可能性があるため、体調や状態によって基準を満たしたり満たさなかったりすることがあります。別の病院を受診することで確定診断につながることもあります。客観的な検査を受けることで発達障害の特性を数値化し、正確な情報を伝えることも大切です。自己診断は避け、病院や専門機関での相談が重要です。

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